Seria Net
No.07


Club Voice
陸上競技・ランニングを愛する人たちの集まったクラブを紹介します

常総学院高校駅伝部
進学校では、練習に全員が揃うのはなかなか難しい。まして校内にはグラウンドがない。周回コースのある公園へ移動するだけでも大変なのだ。決して恵まれているとはいえない環境でも着実に実力を付け、京都も夢では無くなってきた。
自分のやるべきことをやる
自分のやるべきことをやるがモットー。自主的にミーティングを持つ機会が増えたのも、共通の目標があるからに違いない。どうしたら強くなれるか工夫するようになった。ジョグのペースを少しずつ上げたり、ストレッチングや補強を自宅でも欠かさず続けたり、食事のこともお互い注意しあっているようだ。女子は加藤キャプテンを中心に、先輩後輩の垣根なく励ましあう姿が微笑ましい。 男子の戸田キャプテンは「目標は関東高校駅伝出場」と力強く答えてくれた。

大学、実業団で活躍された田中先生は、その熱い思いを語られてきた。「選手である前に人間として基本的なことが出来るようになれ」大切なことなのに、見失いがちである。この言葉が選手の心に浸透すれば、伸びやかに、健やかに育っていくことだろう。部員達の屈託のない笑顔に、明るい展望が見えるような気がした。



江東区立深川第三中学校
爽やかさを目指して

東京の中学陸上は今、大きな変貌の時を迎えている。指導者の空洞化、部活動の減少が著しい。グラウンドに立つ若い先生の姿が消え、野球やサッカー部のない学校にしか、陸上部が育たないのが現状だ。又、体格向上が言われる一方で、体力は年々低下している。だが、そんな大都会の下町にやたらに元気なチームがあるのだ。

爽やかに。それでいいんだ
富樫先生から開口一番、意外な言葉に驚かされた。グランドには上級生・下級生の区別なく準備にいそしむ姿があり、仕事の奪い合いにすら見えた。苦しい事から逃れたがる現代の風潮とはまったく逆の風景に映った。陸上競技を通じて、中学生達から薄れつつある創造的共感を取り戻すことに努力されていた。気を配る、声を掛け合う、トライアルも全員で応援し砲丸投のピットを取り囲むこともある。とかく敬遠される砲丸投が、憧れの的になることも珍しくない。爽やかなスポーツは見る者を魅了している。スポーツの原点を見る思いがした。一年生がはじめてスパイクを履きレースに臨む時、その緊張が手にとるように伝わり最も心踊る瞬間です、と先生は話されていた。元デカスロン選手の熱い思いが脈々と生徒たちに受け継がれている。「指導ではなく、中学生の領域をわきまえることが大切」その言葉に、十分な気配りが感じとれ、爽やかだった。