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No.07


ヤマタケが斬る

駅伝過熱への危惧
中学校の全国大会が始まった平成5年当時、駅伝ブームは最高潮でした。日曜日といえば毎週どこかで大会が開かれ、有力選手は休む間もなく借り出されていました。大会が増えるだけでなく、地域、学校単位での競争意識は否応無しに高まりましたが、一方、成長期の心身への負担を危惧する声も上がり、様々な論議を呼び起こしました。

しかし、全国を目指し、学校をあげて強化を図るチームは増え続け、現実は過熱の一途を辿り現在に至っています。その結果、疲労骨折、貧血、月経異常と多くの弊害が生じ、オーバートレーニングや無理なダイエットが成長期の健全な発育を妨げているのは明らかです。また、指導者のほとんどが全国大会出場を第一の目標に掲げています。この様な一次元的な物の考え方では、心身を育む心が欠落しています。駅伝は確かに魅力的な競技です。

しかし、過熱するあまりに勝敗が最優先し、多感な中学生時代に競技の本質や、楽しさについて学ぶチャンスを失ってはいないでしょうか。周りから煽り立てられることで選手が無理をし、健康を損なってしまうのでは元も子もありません。この時期のダメージが選手生命を脅かすほど危険であることを忘れてはならないのです。