Seria Net
No.08


コラム

部活動の現況と社会体育への移行

中高生に於ける運動部への入部動機をみると、楽しみ、技能の向上、そして痩せるが上位を占めている。退部者では、つまらない、先生が嫌い、暇が無い、を理由としている。自己中心的な生徒がいかに多いかがよく分かる。この現象は我々大人をも含めた社会問題である。

スポーツ選手の育成は、主に学校の運動部に依存されている。競技力の養成のみならず、教育的効果も期待されている。しかし一方では活動の制約、大会の削減、生徒減少、教師の同一校勤務年数の短縮、指導者の高齢化、何ら見返りもない事、保護者の無関心、このままでは存続すらままならない状況だ。

そこで教師が運営する社会体育への移行に注目している。学校の枠を越え複数の教師で運営して練習を重ね、活躍している陸上クラブもある。問題は大会の多くが学校対抗である事だ。また教師は公務員法によりボランティア扱いであり、派遣される指導者には報酬が支払われる。システム上の不整備は甚だしい。教師も活動を支えているのだから、何らかの報酬は認めるべきだろう。

そして指導を受ける側の意識の低さは、それを超えているかもしれない。日本の社会に一番欠落しているのが、そうした社会資本であり、人々の意識の欠如である。スポーツが生活の中でいかに大切かを認識せずして論議を重ねても、机上の空論にしかなり得ない。
仁科

勝てない日本そのアキレス腱

勝てない日本。どのスポーツを見ても足りないのはスタミナのように思います。精神的、肉体的スタミナが足りないから最後にはついていけない。致命的です。

キャンプ中、用意された食事にほとんど手をつけず、コンビニで買ったジャンクフードを口にする選手の姿を見て、ヤクルトの野村監督は嘆き、サッカーのジーコは初来日の時に、買い食いしている選手の姿に激怒したといいます。ちゃんこよりお菓子が好きな、成人病の力士。プロのアスリートが食事に気を使わないなど、世界レベルでは考えられないことです。コンディションを維持する為に、あたりまえのことが出来ない日本人選手。マリオン・ジョーンズが、コーチから受けたアドバイスは「オーバートレーニングにならない事、しっかり食べて健康な体をつくる事」健全な心身の延長上に競技がある。

駅伝やマラソン中継を見ていると、速くても病的ともいえる選手が目につく。それが異常だと言えないところに根本的な問題があるはずだ。コンビニの前でしゃがみこんでいる若者達の中からは、間違っても世界的なアスリートは生まれない。