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No.18


田島博士の特別栄養講座

遺伝子組替えは是か非か

アメリカから輸入したトウモロコシの中に、スターリンクという遺伝子を組替えた物が混入していたことが大きな問題になりました。世界的に遺伝子組替えに対する嫌悪感は広がり、まだ一般に受け入れられるレベルではないようです。他方、その技術や研究は、様々な産業に普及しています。大腸菌に特定の物質を作らせたり、有害物質を分解させる能力を高めた細菌を廃液処理に利用したりしています。トウモロコシデンプンや液糖など、すでに私達の生活に密接に関わってきているのも確かです。昨年話題を呼んだクローン牛の肉は、物珍しさもあり、そこそこの売り上げだったそうです。クローンは遺伝子組替えではありませんが、より生命倫理に踏み込んだ発生工学の手法を使います。ここで私達は「遺伝子組替えは是か非か」をよく考えなければなりません。メディアから流れる偏った情報や単なるイメージだけで、正しい答えは得られません。消費者もしっかりと勉強して判断を求められる時代なのです。
※ セリアは遺伝子組替えの原料を用いていません。



エネルギー

生物のエネルギーの大本は、地球に到達する太陽エネルギーを植物が捕捉することから始まります。光合成によって大気中の炭酸ガスが炭水化物に変換され、それをヒトや動物が利用しています。現代の生活に欠かせない石油などの化石燃料も、植物や微生物が太古から長い年月を経て変化したものです。炭水化物については「体の中で燃えてエネルギーになる」という説明をしますが、燃える、すなわち燃焼は、光と熱の発生を伴う化学反応のことを指し、一般には物質と酸素が結合する酸化反応です。生体内で生じる緩やかな酸化反応も燃焼と呼びます。自動車などはガソリンや軽油などの炭化水素を燃焼して駆動する力を得ていますが、動植物は、酵素の力を借りて炭水化物を燃焼させます。どちらも酸素の消費を伴う酸化反応によりエネルギーを得ることに変わりありません。私達が生きていけるのは、太陽からの自然なエネルギーを植物が捕捉するおかげだということを忘れないで下さい。