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No.19


日本食のすすめ(15)
肉がダメなら魚があるさ

ミネラル豊富な食材
狂牛病問題で食生活にも大きな影響が出ています。牛肉なしでは、育ち盛りの世代だけなく、働き盛りの人達も、栄養不足になるのでは、と不安になります。太平洋戦争の真っ只中、日本の食糧事情は急速に悪化し、肉類、とりわけ牛肉はほとんど底をついていました。困ったのが軍隊です。軍用缶詰といえば牛肉と決まっていたからです。仕方なくブリ、マグロ、カツオ、サバなどで造ることになりました。そこで牛肉と魚肉、どちらがパワーを生み出せるのか、研究が始まりました。ネズミ、モルモット、サル、実際に人間も加わって、実験が繰り返されたのです。すると、牛肉よりむしろ魚肉の方が小動物では成長率が良く、人間では健康度も良好かつ病気にかかりにくい、という結果が出たのです。魚肉の何が優れていたのでしょうか。蛋白質、脂肪、炭水化物、これらについては概ね牛肉と変わりません。海に棲む魚が豊富に蓄えているものは、ミネラルです。カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム、それに微量でも人体に必須の元素、鉄、銅、亜鉛、フッ素、ヨウ素などです。また、陸上ではほとんど見られないゲルマニウム等の希有元素も持っています。恐竜などの巨大動物の栄養的諸元と考えられているもので、陸上から海へと流れ込んでしまったのです。現代の食生活では加工食品と添加物によって、これらの大切な金属元素や微量元素の摂取不足と体外排出を招いています。この機会に、魚を大いに食べ、食の転換を図りましょう。将来、あの世代は丈夫だねと言われるようになろうではありませんか。(大)