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No.19


ヤマタケが斬る
激化する選手勧誘への警鐘

学費免除、支度金、転校劇
選手勧誘が年々激化している。子供の運動部離れで逸材を見つけるのが困難になり、経営戦略が絡む学校側は血眼になる。そこで繰り広げられる醜い舌戦や偽情報を耳にする度に嫌悪感が募る。スポーツが教育現場の活性化に一役買うのも事実、才能を開花させるチャンスが選手に与えられるのも事実である。ところが最近では、選手を獲得する為に学費免除はおろか支度金まで出す高校がある。マンションまで用意されるケースもあるという。この現象は義務教育の現場にまで及んでいる。県中学総体で活躍した選手を駅伝シーズン前に転校させる例は枚挙にいとまがない。最悪なのはそうして連れ回した選手が挫けたら投げ出す事だ。更には選手がドーピングに侵される危険性まで出て来た。どんなに勝利至上主義が台頭しても、決して許してはいけない事だ。そんなスポーツに何の価値があるのか。大人の勝手な思惑で子供達を振り回すのは今すぐ止めるべきだ。平和ボケして目先の利益や自己満足に浸っている大人達に警告したい。ただでさえ揺れ動く思春期の子供達だから、たとえ結果が伴わなくても諦めずに育てていく覚悟が必要だ。人を動かすには責任が伴う。それは指導者として最低限のモラルの筈だ。その欠片も無いような指導者が優秀な成績を残し、崇められている現状を打開しようではないか。