Seria Net
No.20


ヤマタケが斬る
メディアトレーニング

日本選手の稚拙な発言に幻滅する事が多い
スポーツ先進国アメリカでは選手の言動が社会に与える影響を考え、マイクを向けられた時にどのように答えるか、あらゆるケースを想定した対処法を学ぶシステムが考えられている。
記者会見や勝利インタビューに於ける質問も日本とは比較にならないほど社会性を帯び、政治経済、国際情勢まで言及する。スーパースターにもなると、その一挙手一投足は大統領よりも影響力があると言われている。スポーツマンへの注目度が高いだけに、思慮深い発言が求められる。アマチュアも同様で、米国五輪委員会はオリンピック代表選手にも専門家によるメディアトレーニングを義務付けている。文化人としての品位を問うものであって、思想心情の自由を奪うものではない。競技能力がいくら高くても、優れた社会人としての資質を持たない選手には、マスメディアのみならず、国民が手厳しい。こうした高い意識の下に、この国のスポーツ選手は世界の頂点に立つ存在として洗練されていく。日本選手の稚拙な発言に幻滅する事も多い。国際舞台に進出する機会が増えてきただけに、その責務も含めたメディア教育が必要であろう。