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■╋■╋━ vol.5 ━━━━━━━━━━━━━━━━━2007/10/02 ━━━━


前ページ:内臓疲労
後ページ:貧血<2>

気温がグッと下がり、冷たい雨が降りました。

皆さん、風邪などひいていませんか?

気温の変化に振り回されないよう、しっかり体調管理をして下さいね♪



先週は『内臓疲労』についてお話ししました。

運動によって内臓に送られる血液が減り、疲労物質を分解する機能も低下してしまうのです。

対策として、アミノ酸の補給が肝臓の働きを助ける、という事も書きました。


さて、夏のトレーニングで消耗してしまったものは他にあるでしょうか?

心当たりはありませんか??



『貧血』はどうでしょう。

陸上の長距離選手は、常に貧血と闘っている状態、と言えるかもしれませんね。

特に大汗をかく夏場には、貧血になりやすいはずです。

というのも、汗の成分には微量ですが鉄が含まれているからです。

汗はもともと血液だって知ってましたか?だからミネラルが含まれているんです。


ですから、この時期になっても疲れがとれていない方は、

貧血も原因の一つかもしれませんね。



ス┃ポ┃ー┃ツ┃と┃貧┃血┃
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スポーツ選手の場合、貧血になる主な原因は、

発汗、溶血(赤血球の破壊)、食欲の低下です。

トレーニングを続ける限り、これらは避けられないことです。

貧血は、なってしまうと回復に時間がかかります。

そうならないよう、予防していくことが何より大事です。



人間の身体は、もちろん骨や血液も含め、すべて口から食べた物から造られます。

ですから、日々の食事が重要なんですね。



シーエフ社が発足したのは、そもそも、陸上の長距離選手の多くが

貧血に苦しんでいるという現状を何とか改善出来ないものか、と考えたことがきっかけです。

食事だけでは追いつかない栄養成分を補給するために、サプリメントを開発し、

選手に直接アドバイスしながら、コンディショニングに役立ててもらっているのです。


そこでアドバイザーの山根さんに、御登場いただいて、

今までの経験から得たことを話してもらうことにしましょう。

貧血については、これから数回に分けて掲載していきます。

それでは山根さん、御願いします。(笑)


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スポーツと貧血の関係については既に多くの栄養学やスポーツ栄養系の教科書に

書き尽くされています。

ですから「鉄分の摂取が大切だ」ということは、皆さん既に御存知のことでしょう。

「貧血には、レバーやヒジキ、ホウレン草」これなら誰でも答えられますね。

そこで、今回はもっと掘り下げて持論を展開したいと思います。


これまで15年間、栄養アドバイザーとして多くの現場で、アスリートの貧血改善に努めてきました。

そこで得た経験は誰にも負けない、と自負しております。

さらには信頼できる識者の意見、昨今の食事情などを総合的に洞察した結果、

教科書には載っていないセオリーがあることが分かりました。

疲労対策というテーマの中で『貧血』は避けられない問題です。

ここでは、教科書には載っていない、現場で得た独自の考えを述べたいと思います。


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◇◆「レバー、ヒジキ、ホウレン草」から「赤身の肉、魚」へ◆◇
└─────────────────────────────────┘

すっかりお馴染みのホウレン草やヒジキの鉄分含有量を見てみましょう。

それぞれ100グラム当たり、2.0ミリグラム、55ミリグラムも含まれています。

ヒジキがとても高い値なのには驚かれたことでしょう。

ただ、これは乾燥重量換算なのです。

すべて水で戻して食べるとなると大変な量になります。

また、その殆どが吸収しにくい鉄分(非ヘム鉄)なので、

おおよそ1〜5パーセント程度しか取り込まれません。

実は所要量を確保することすら難しい食材だと言えます。


┌───────────────────┐
◇◆吸収のよいヘム鉄を◆◇
└───────────────────┘

一方、レバーの鉄は質量共に優れています。

食品成分表によると含有量も13ミリグラムと高いばかりか、

吸収率も約10〜20%と安定しています。

ただ、独特の風味から敬遠されがち。

そこで、レバーに含まれている吸収の良い鉄(ヘム鉄)を

豊富に含む食品を常食として摂取することをお勧めします。


赤身の肉、魚の「赤い色の正体」が鉄分です。

その殆どが吸収の良いヘム鉄なので、効率よく体内に取り込まれます。

貧血予防・対策には「赤身の肉、魚」または「ヘム鉄」

と答えて頂ける時代が近いことを願っています。


そこで、提案です。

赤身の肉、魚を毎日効率よく食べるために、佃煮やしぐれ煮などを食卓にお弁当にご利用下さい。

市販のものでも構いません。

いずれにせよ、高タンパク低脂肪で吸収の良いヘム鉄を食べることができます。

また、保存性にも優れていて大変便利にお使いいただけることでしょう。


貝類にも鉄分は豊富ですが、残念ながらヘム鉄ではありません。

生ガキやアサリにレモンや酢橘などをかけたり、「ぬた」にして

酢と合わせて食べるのは風味を良くするためなのですが、

同時に豊富に含まれる鉄などのミネラル類の吸収効率を高めています。

生活の知恵は本当に素晴らしいものですね。

ショウガや梅干し、レモン汁を隠し味に佃煮風にしてお弁当に添えるのも良いかも知れません。


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山根さん、有り難うございました。


なるほど・・・鉄にも色々あるんですね。

せっかく摂取しても体内で吸収されないのでは、元も子もないですもんね。

効率よく食べ物から摂るには、赤身のお肉と魚、なんですね。

これならレバーのように敬遠する人もそんなにいないでしょう。(笑)

日々、少しずつ心掛けることで、貧血を防ぐことは可能です。

皆さん、ぜひぜひトライしてみて下さいね。

 



★☆山根さんから一言☆★───────────────────────────────☆

またビッグニュースが飛び込んできました。

ベルリンマラソンでエチオピアのハイレ・ゲブレシラシエが2時間4分26秒の

世界新記録で2連覇を達成。

90年代後半からトラックレースで圧倒的な強さを誇った「皇帝」も、

マラソン転向後すでに3年が経過し今年34歳。その素晴らしい記録もさることながら、

打ち破るまで努力し続けている姿勢に、改めて皇帝の皇帝と呼ばれるに相応しい、

人間的な強さを見る思いがします。

凡人には想像も出来ない領域ではありますが、その努力に心からの敬意を表します。

やはり最後まで諦めなかった人が思いを遂げるのですね。大いに影響受けて頑張りましょう。

☆──────────────────────────────────────────☆


ひぇ〜っ、これまたスゴイ記録が出ましたね〜。

二時間を切る日も、そんなに遠くないかもしれません。

こうなると、同じ人間とは思えないです。絶対違う生き物です。(笑)




次回も引き続き、貧血についてですよ〜。乞うご期待!

変わりやすいお天気が続くと思います。

どうか体調にはお気をつけてお過ごし下さい。

See you next week!!


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