暑熱環境対策を取り入れよう 【セリア通信val.775】

2022年7月5日

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皆さん、お元気ですか。

山さんはこの週末、
全日本中学校通信陸上
千葉県大会を訪問しました。
レースはもちろん観戦しましたが、
山さんが注目したのは皆さんの暑さ対策です。

ウォーミングアップをしている選手をのぞいてみると
水筒とスポーツドリンクの両方を持っている方がほとんどでした。
さらに凍ったペットボトルを持参して頭や首を冷やしながら
溶けたての冷たい水を飲んでいる選手もいました。

また、冷汗スプレーや
ひんやりシートを使っている選手や
首のまわりを冷やす専用タオルを巻いたり、
氷のうで頭を冷ましている選手も見られました。
日傘を利用している選手も何人か見かけましたよ!
皆さん、それぞれに工夫していらっしゃるようでした。

チーム・テントには大きなクーラーボックスが今や必需品となっているようです。
思っていた以上に暑さ対策は十分に浸透していて、安心しました。
夏はまだまだ始まったばかりです。
どうぞ事故の無いように
お気をつけ下さい。
 
◆◇本日のメニュー◇◆

1 暑熱環境対策を取り入れよう
2 セリアスタッフの舞台裏【次こそは】
3 陸上雑感【カラダを冷やす食べもの】

皆さんは時と場合によっては
暑い中でも走らなければなりませんね。
そんなときに知っておいたほうが良いことや
さらなる対策についてお話します。

暑熱環境対策を取り入れよう

 

◆低下する運動継続時間◆

気温の上昇と共にヒトの運動継続可能時間は短くなります。
暑熱環境下にいたっては、きわめて短くなることが知られています。
とくに持久性運動には影響が出やすいため、
通常より短い時間で済ませましょう。
長引かせるのは危険です。
 
◆深部温度との関係◆

なぜなら外気温が上昇することによって
発汗や血管の拡張によるカラダの冷却効率が低下し、
深部温度(筋肉や脳、臓器など)の上昇が抑えられなくなるからです。
この状態を放置すると熱中症どころでは済まされません。
命の危険すらあるのです。

ですから猛暑下で行う練習や
競技会などのウォーミングアップも
手短に済ませるように工夫しましょう!
 
◆慣れるのに1週間、パフォーマンスの発揮に10日以上◆
 
ヒトのカラダが暑さに対し、
生理学的変化を発揮するのには
おおよそ3日間もかかるのだそうです。
その効果によってリスクが軽減されるまでには
1週間以上の日数が必要だということが分かっています。
最近の研究によると運動パフォーマンスがいかんなく発揮されるまでには
10日間以上の日数を要すことが分かっています。

ということは夏の始まりのレースや大会で
思うようなパフォーマンスが発揮出来なかったとしても
夏や暑さに弱いのではなく、
準備や時間が足りなかったと
考えるべきなのかも知れませんね。
 
◆深部温度を下げる◆

一方、暑熱環境下で
持久性運動を行った場合、
運動前に深部温度を下げておくことで
パフォーマンスの向上が見られたという報告が多数あり、
スポーツ界で大きな注目を集めています。

レース前に行う、
その方法は次の通りです。

①アイスベストの着用(保冷剤をセットするベスト、試合前に着用し、体温を下げる)
②アイススラリーを飲む(シャーベット状の氷飲料を飲み、深部温度を下げる)
③ネッククーラー、氷のう(頭や首やわきの下を冷やし、深部温度を下げる)
④冷水浴(氷を入れたアイシングプールなどでカラダを冷やす)など

いずれの方法もいきなり本番で行うのではなく、
ポイント練習や距離走の前に試してみて下さいね。
そして、監督やコーチにも十分に相談してみて下さい。

※ちなみにアイスベストはワークマンなどでも手軽に買えるようです。
 
◆トライしてみよう◆

たとえ暑熱下であっても
大会やレースは待ってくれませんね。
条件は皆、同じです。

”夏に弱いから”とあきらめてはいけません。
どうやったら克服出来るのかを考え、工夫して臨みましょう。
その1つが ”深部温度を下げることでパフォーマンスが向上する”だと考えます。

これは”真夏の東京五輪”を前に研究が進み
少しずつ解き明かされたカラダのメカニズムです。
まだまだ研究の余地があるでしょうし、
新しい考え方だから取り入れるのには勇気も必要かも知れませんね。
でも、考えてみたら山さんの中高時代は”水を飲むとバテる”と言われていたんです。
”アイシング”や”テーピング”なども今では当たり前のことだけど、
私たちの現役時代には誰もやっていませんでした。
 
皆さんが考えるきっかけになれば嬉しいです。
ぜひ、トライしてみて下さい。

::: セリアスタッフの舞台裏【次こそは】 :::
 
週末の千葉県中学校通信陸上大会は
30℃を大きく越える猛暑のなかでの開催となりました。
 
今週のセリア通信で紹介したとおり
カラダが暑さに慣れるまでには時間がかかります。
その期間はだいたい7~10日程度。

今回は、急激に気温が上昇してから
1週間以内での大会となりました。
そのせいか普段通りのパフォーマンスを発揮できず
全国大会への標準記録を突破できなかった
選手も多く見られました。

全国大会出場へ残されたチャンスは
3週間後に開催される県総体。

この時までには暑さも慣れていることでしょう。
1日1日を大事に過ごして、
県総体本番で最高のパフォーマンスが
発揮されることを願っております。
(山内)

::: 陸上雑感【カラダを冷やす食べもの】 :::

夏野菜は火照ったカラダを冷ます食材の宝庫です。
なかでもオススメなのはキュウリです。
キンキンに冷やしたキュウリに
塩をサッッとふって食べれば
汗がスーッと引くのが
実感できるでしょう。
冷たいスイカも最高です!
食べ慣れないものを食べるより
幼少時代から慣れ親しんだ夏野菜を
上手に使ってカラダの深部温度を下げてみるのも一案です。
(山根)
 
* * * * * * * * * * * * * * * *
 
山さんはもう、何年も夏にはアイス枕を愛用しています。
そのおかげで毎晩、熟睡しています。
これも深部温度を下げる技・・・。

では、また来週。


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