シンスプリント対策 その3【セリア通信vol.804】

2023年1月24日

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皆さん、お元気ですか。
 
嬉しい知らせが届きました。

アメリカのペンシルベニア州立大に留学中の
石井優吉選手が15日に現地で行われた室内競技会1000mで
2分21秒99の室内日本記録を達成したのです。
 
石井選手は千葉のクラブチーム出身です。
その恩師が監督を務める大学の駅伝合宿に参加し、
中距離選手には珍しい走り込み練習を行っていました。
 
米国での中距離トレーニングに
足りないものを追い求めて自ら補う。
飽くなき探究心の持ち主なんですね。
栄養に関しても興味を持っていて、
山さんは質問攻めに・・・(笑)

日本記録達成、
ほんとうにおめでとうございます!

◆◇本日のメニュー◇◆

1 シンスプリント対策 その3
2 セリアスタッフの舞台裏【走ってサポート】
3 陸上雑感【ネットワーク】

その1、炎症をしずめる栄養
その2、損傷を修復する栄養
そして、その3は骨膜を傷めない工夫についてです。

シンスプリント対策 その3

◆走るパワーの源◆

皆さんが走るときに、もっとも大きなチカラ(推進力)を発揮するのが
太ももの裏側にあるハムストリングスという筋肉群です。
また、ハムストリングスの付け根で推進力を支える
腰部と臀部の骨や筋肉にも負荷が加わります。
距離を踏み、スピードを上げるには
これらの筋力や筋持久力、
及び柔軟性などが必要となるのです。

◆推進力を生むハムストリングスからお尻のチカラ◆

陸上長距離を本格的にはじめる頃になると
より速く、より長く、より安定した走りをするために
大きな推進力を生み出す大腿部、臀部、腰部などの
体幹の強化が必要になってきます。
もし、この部分が弱いまま
速く、長く走ってしまうと
弱点を補うために
膝から下の筋肉群(ヒラメ筋、腓腹筋、後脛骨筋)などを酷使します。
そのために骨のまわりの骨膜に炎症しやすくなり、
シンスプリントや疲労骨折などが
発症しやすくなるのです。
 
走り始めて間もない頃や
故障やシューズ、走路の影響などから
ストライドが狭くなってしまっているときなども
膝から下の筋肉群や骨膜、骨に負担がかかりやすくなります。
   
◆強化のススメ◆
 
膝から下の筋肉群に負担をかけず、
安定したフォームを維持して
速く、長く走るためにも
ハムストリングスや臀部の強化をしましょう。
山さんのおススメはウォーキング・ランジ(Lunge:突く、突進するという意味)というトレーニングです。
次の通りに行ってみて下さい。

①視線を前にしたまま、足を肩幅にして直立します。
②片足を大きく振り出し、振り出した足を接地します。
③接地した足の膝が90℃になるまで曲げおろします。
④曲げおろした足を軸にして、姿勢を崩さずに後ろ足を引き上げます。
⑤そのまま後ろ足を前に大きく振り出し、足を接地します。
⑥この動作を繰り返しながら、前へと進みます。
⑦まずは片足10歩を目標にやってみましょう。

山さんは筋力が足りず、
バランスを崩すので両手を広げてやっています。
皆さんは走るフォームをくずさないようにして丁寧に行って下さい。

◆ランジの効果◆

ランジ・トレーニングを続けることで
腰部、臀部、ハムストリングス、大腿四頭筋が
バランス良く強化されるため膝から足への負担が減ります
そのため思いのほかふくらはぎの筋肉群が楽に感じることでしょう。
長い目で見ればシンスプリントの回復や再発予防にも役立つはずです。
シンスプリントの痛みが消えたら、ぜひ根気づよく取り組んでみて下さい。

また、ストライドが広がるので走りにも余裕が生じることでしょう。
そのことがエネルギーの浪費を避けるため、
長い距離への負担も軽減されます。
ランナーには必須のトレーニングと言えますね。

◆保温にも努めましょう◆

ランニングシューズは通気性に優れていますね。
ですから冬の寒さを防ぐことができません。
そのため足先が冷えきったまま
走っている方が多いんです。
足先が冷えていると
下腿もなかなか温まりません。
この状態でスピード練習や距離走を行うと
筋肉がうまく使えずに、骨や骨膜への負担が増えるんです。
このように”冷え”を放置するとシンスプリントなどの故障につながるので要注意です。

冬はくるぶしまでおおう厚手のソックスを履くようにしましょう。
足首を温めるだけで足先の血行が良くなるんです。
ウォーミングアップの目安は”足先が温まること”です。
故障がちの皆さん、ぜひ厚手のソックスに履き替えて下さいね。
 
【今日のまとめ】

①下腿への負担を軽減する体幹のトレーニングを積極的に行いましょう。
②正しい姿勢、正しいフォームを意識しながら、ウォーキング・ランジを行いましょう。
③”足先の冷え”にご注意下さい。
④くるぶしまでの厚手のソックスで保温に努めましょう。

シンスプリントの回復・再発予防を考えるだけで
色んな知識やトレーニング、栄養が必要になりましたね。
シンスプリントが1日も早く治りますように。
 
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::: セリアスタッフの舞台裏【走ってサポート】 :::
 
高校陸上部の練習訪問をした時のこと。
顧問の先生から
「山内さんも走りませんか?」
とお誘いいただきました。

男子選手の練習は速くて着いていけそうにないので
女子選手と一緒に15km走ることに。

その日の天気は生憎の雨。
風も強く吹いていましたが
選手の皆さんは軽快に走っていました。

終盤には厳しい起伏があり、選手が1人遅れました。
そんなときには、私自身が前に出て引っ張ったり、
励ましの声かけなどで選手の走りをサポート。
最後の最後で先頭集団に追いつき
みんなで一緒にフィニッシュ。
本当によく頑張りました!

このように選手と一緒に走ることはあまりないことですが、
機会があればまたご一緒したいです。
(山内)

::: 陸上雑感【ネットワーク】 :::

山さんに足りない知識や情報を
提供して下さる心強い協力者の皆さんがいらっしゃいます。
スポーツ医学の第一人者の方であったり、
食品科学の研究者、
メディアの編集長、
大学教授、
コーチ、
監督、
セリアスタッフ etc.
セリアやセリア通信は
そうした方々の無償のご協力に
支えて戴いております。
だから、読者の皆さん、どうぞご安心下さい。
ここに記されている情報は
そうした方々の善意ですから。
(山根)
 
 * * * * * * * * * * * * * * *
 
山さん、今月は順調に走れています。
先月2週間休んだ分も頑張らねば・・・。

では、また来週。


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