走り込んで研ぎ澄まされたカラダを考える その1【セリア通信 vol.944】

2025年9月30日

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皆さん、お元気ですか?

かつて実業団選手としてご活躍されたママさんランナーと一緒に走った時のことです。
健康診断の結果が「E判定」だったと、ちょっとご機嫌ななめだったのです(笑)
E判定となってしまったのは、血液検査でクレアチニンやCKが高くて、ASTやALT(肝機能)も基準値を超えていたためのようでした。

じつは看護師として大病院に勤務している彼女の口から驚きの言葉が続きました。
「お医者さんもランナーのことは、あんまり分かっていないんですよ!?」
数値が高いのは、どれもランニングのせいだと伝えたようですが、なかなか理解してもらえなかったというのです…。

ただ、このように日常的に走っているとカラダには相当なダメージとなります。
そのことを正しく理解した上で、対策を講じないと過労になります。
気がついたら過労で走れなくなることだけは避けたいですね。

走り込んだカラダがどんな状況にあるのか?
正しく理解して、コンディショニングに役立てましょう。

◆◇本日のメニュー◇◆

1 走り込んで研ぎ澄まされたカラダを考える その1
2 セリアスタッフの舞台裏【失敗レースの後は】
3 陸上雑感【試走】

まずは、走り込んだカラダが置かれている状況を正しく理解しましょう。

走り込んで研ぎ澄まされたカラダを考える その1

◆筋破壊のマーカー①クレアチンキナーゼ(CK)◆ マラソンや駅伝に向けた走り込みやスピード練習で、筋肉細胞が激しく破壊されると、筋肉細胞中にあるクレアチンキナーゼ(CK)という酵素が血液中に溶出します。
そのため血液検査時の筋破壊や損傷の指標となっています。

当然、練習量の豊富な合宿明けや、マラソンや駅伝等のレース翌日に血液検査を行うと、ほとんどの選手が高い値を示すので、検査のタイミングにもご配慮くださいますようお願いします。
なるべく合宿やレース後1週間くらいは明けたほうがよいと思われます。

【慢性疲労や過労の場合】
もし、練習オフの翌日や、休養後の検査でCKが高かったら、疲労が蓄積して慢性化しているか、過労になっていることも考えられます。
その場合はある程度、休養期間を設けて、「栄養と休養」をしっかり取る必要があります。

◆筋破壊のマーカー②クレアチニン(Cr)◆

クレアチニン(Cr)は、筋肉細胞中のクレアチンが変化してできる老廃物です。
CKと同じように、筋肉細胞が破壊されると血液中に溶出します。
通常は腎臓でろ過され、尿から排泄されるのですが、過労などで腎機能が著しく低下すると高い値を示します。
また、鎮痛剤などを服用して走ると激しい筋破壊(横紋筋融解症)を誘発し、クレアチニンが異常に高くなり、急性腎障害などを引き起こすので気をつけてください。
痛みが激しい時の無理は禁物ということです。

【朝ランの影響】
朝から激しいランニングをすると、クレアチニンが高くなるという研究発表もあります。
長距離ランナーにとって、朝ランは必須ですが、Crが慢性的に高い方は、走り方には工夫が必要かもしれません。
ちなみに山さんも、主治医から「朝練での走りすぎ(スピードアップ)」に注意するように言われています。

◆筋破壊のマーカー③AST◆

ASTとは、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼのことであり、主に肝臓や心臓の筋肉、骨格筋に多く含まれる酵素です。
激しい運動や負荷がかかると細胞が損傷し、血液中に溶出すると高い値を示します。
心筋や骨格筋のみならず、肝臓を酷使するような過労時には一気に数値が高くなるので注意が必要です。

【激しい運動は、内臓も酷使する】
マラソンや駅伝などの長距離走は骨格筋を酷使するばかりではなく、心臓や肝臓、腎臓などの臓器にも大きな負担をかけることになることを覚えておいてください。
肝臓も、腎臓も「静かなる臓器」と呼ばれているのをご存知でしょうか?
どんなに負担をかけても「痛み」を発しないので、知らず知らずのうちに疲れ弱ることがあるので気をつけましょう。

◆④オーバートレーニングに気をつけよう◆

筋破壊のマーカーとなっているCK、Cr、そしてクレアチニンについてご紹介しました。
合宿明けや、マラソン・駅伝などのレース後等、カラダを酷使した後は、誰でも高くなっているので覚えておいてください。

だからこそトレーニング効果を高めるためにも走り込んだら、十分に栄養と休養をとって、英気を養うようにしましょう。
「競技力向上=運動+栄養+休養」をお忘れなく!

もし、栄養も休養もおろそかにしていると、オーバートレーニングとなり、筋肉も内臓も疲弊してしまいます。
そうならないように走ったら走った分だけ、きちんと食べて、上手に休むという習慣を身につけてください。
とくに気をつけてほしいのが「頑張り屋さん」です!

人一倍がんばることだけに集中するあまり、栄養も休養もおろそかになっている選手も多いんです。
とくに、こんな方はオーバートレーニングに気をつけましょう。

【オーバートレーニングになりやすいランナー】

【そんなあなたにおすすめのセリア】
セリアFe 吸収の良いヘム鉄が主成分。エネルギー代謝に欠かせないビタミンB群を強化。
セリアロブ 弱ったカラダでも吸収性の高い各種ペプチドを配合。筋肉や内臓の栄養をサポート。

::: セリアスタッフの舞台裏【失敗レースの後は】 :::

先週末は千葉県高校新人大会を訪問しました。
セリアユーザーの皆さんが多数出場されていた長距離種目を中心に見ていたのですが、うまく走れていた選手がいた一方で、本来の走りが全くできなかった選手も少なからずいました。
うまく走れなかった選手だって、この夏は本当に頑張ってきたはずです。
それだけに、なおさら悔しかったことでしょう。

うまくいかない時には必ず原因があります。
レースに向けた調整、食事、本番でのペース配分、夏の疲労、さらには日々の過ごし方に至るまで…。

どこかに本来の走りができなかった理由が潜んでいます。
それらを一つひとつ洗い出して改善に取り組むことで、次こそは思い通りの走りができることを願っています。
(山内)

::: 陸上雑感【試走】 :::

全国切符をかけた駅伝が近づいている。
駅伝会場となるコースには試走をする選手の姿がある。
とはいえ一般道を通る車は、そんなことにはお構いなしだ。
ものすごいスピードで選手たちのすぐ脇を走り去る。
サポートする私は、蛍光カラーのシャツで立つ。
そして坊主頭で睨みをきかせるのだ!
とにかく事故の無いように。
カラダを張って。

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今週末は関東大学女子駅伝が開催されます。
出場される選手の皆さんのご健闘を心より祈っています。

では、また来週。


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