2026年2月17日
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皆さん、お元気ですか?
今春から大学生になる選手から、今週もまたひと足早く入寮の便りが届きました。
こうした瑞々しい連絡に、春の訪れを実感する今日この頃です。
新生活の様子を尋ねてみると、返ってきたのは
「意外とスーパーが遠いんです(笑)」
という、なんとも意外な答えでした。
競技の抱負より先に、まずは「生活の基盤」を自分の足で確認している。
その飾らない生活感こそが、新しい環境に早くも馴染もうとしている証拠でしょう。
「この逞しさがあれば、きっと大物になる」と確信し、これからも変わらず応援し続けたいと思います。
◆◇本日のメニュー◇◆
1 ランナーの利用可能エネルギー量不足を考える#1
2 セリアスタッフの舞台裏【2部練習】
3 陸上雑感【室内陸上】
男女に関わらず、ランナーに多く見られるのが「貧血・疲労骨折・肉離れ」などのトラブルです。
その原因として今一度、皆さんに正しく理解してほしいのが「エネルギー不足」なんです。
「エネルギー不足の何が問題なのか」について順を追って解説します。
ランナーの利用可能エネルギー量不足を考える#1
◆①痩せれば強くなれるという誤解◆
「今シーズンこそ、目標を達成すべく気合を入れて頑張ります!」新年を迎え、そう決意を新たにしている選手は少なくないことでしょう。
しかし、志の高いランナーの皆さんがまず着手するのが、意外にも「ダイエット」であるケースが多いようです。
断言しますが、「痩せれば強くなれる」というのは大きな間違いです。
競技力の向上とは、決してそれほど容易いものではありません。
誰よりも走り込める強靭な土台を作り、その上でようやく質の高い練習を完遂できる力が身につくのです。
摂取エネルギーを削って「細さ」を求めるだけの甘い考えは、今すぐ捨てましょう。
真の強さは、適切な栄養とハードなトレーニングの積み重ねの先にしかありません。
◆②エネルギー不足のもたらす弊害◆
ランナーの走行距離は並大抵のものではありません。例えば、高校生女子長距離選手が必要とするエネルギー量はおおよそ2,800~3,000kcal以上に達すこともあります。
これは20代の成人男性の平均を上回るほどの量です。
しかし、実際には、多くの選手がこの必要量を満たせていません。
その慢性的なエネルギー不足状態で走り続けると、カラダはどうなるでしょうか。
体内では不足したエネルギーを補うために自らの筋肉(タンパク質)を分解してアミノ酸を取り出し、ブドウ糖に作り替える「糖新生」が行われます。
つまり、走るためのエネルギーを作るために、走るために必要な筋肉を削っているのです。
このような組織破壊が常態化してしまうと、貧血の進行はもちろん、筋肉や骨の再生や成長も阻害され、疲労骨折などの深刻な故障へと着実に進んでしまうのです。
◆③貧血・内臓疲労の常態化◆
エネルギー不足は、血液の材料となる鉄やタンパク質までもエネルギー生成のために使い果たし、ヘモグロビン値の低下を招きます。ランナー特有の「スポーツ貧血」が進行するのも、実はエネルギー不足が引き金となっているのです。
また、エネルギー補給のためにタンパク質の分解が常態化すると、代謝産物である尿素窒素やアンモニアが増加します。
これらを解毒・排泄するために肝臓や腎臓が休みなく働き続けることになり、結果として深刻な内臓疲労を引き起こすのです。
貧血と内臓疲労が重なり、心身が「過労(オーバートレーニング)」の状態に陥ると、肉体的な重さだけでなく、精神的な疲労感にも苛まれるようになります。
この「心身の枯渇」はモチベーションを奪い、競技力向上という本来の目標さえも見失ってしまうのです。
◆④エネルギー不足の症状◆
慢性的なエネルギー不足の選手が見舞われる症状をまとめてみました。次ような症状が見られたら、まずはエネルギー不足(利用可能エネルギーの低下)を疑いましょう。
当てはまる項目があれば、それはカラダが発している切実なSOSのサインです。
【ランニング編】
- だんだん調子が上がってきた矢先に、急にカラダが重くなり、設定通りに走れなくなってしまった。
- 距離走の後半、脚の筋肉から弾力が失われ、強烈な張りや痛みを感じる。(糖新生の兆候)
- 呼吸には余裕があるのに、脚に力が入らず、思うように動かなくなる。
- 走行中に手足が冷たくなり、冷や汗が出る。(低血糖の兆候)
- いわゆる「ガス欠」状態を実感し、走ることに危険を感じた。
【日常生活編】
- 睡眠時間は確保しているのに、朝からカラダがだる重く、疲れが抜けていない。
- 移動中や授業中、抗えないほどの強い眠気に襲われる。
- 以前は楽しかった練習が苦痛に感じ、気持ちが沈みがちである。
- 軽めの練習の日でも翌日の筋肉痛がひどく、階段の上り下りすら辛い。
- 慢性的な冷え性で、指先が温まらない。(しもやけになりやすい)
これらの症状は「根性」や「才能」の問題ではなく、「エネルギーが足りない」という明確な栄養の問題です。
まずはその自覚を持つことから始めましょう!
◆距離が踏める栄養状態にしよう◆
ランナーが強くなるには「距離走」は避けて通れません。誰よりも長く、速く走り抜くスタミナとタフさを備えてこその競技力です。
それなのに、土台となる「身を削る」ことに執着するのは、本末転倒と言わざるを得ません。
距離な距離を踏む練習ができていない中で、レベルアップを望んだり、結果を急ぐあまり過度なダイエットを繰り返してはいけません。
貧血や故障なら、食事改善で克服できますが、一度、折れてしまった心の再生には、気が遠くなるほどの時間が必要だからです。
陸上長距離の基本は「走り込んで強くなる」こと。
そして、その練習に耐えうる「食事と栄養を満たす毎日」を送ることです。
皆さんは「強くなりたいのであって、痩せたいのではない」。
常にこの原点に立ち返り、自分のカラダと向かってください。
次週に、続きます。
::: セリアスタッフの舞台裏【2部練習】 :::
先週、久しぶりに2部練習を行いました。1回目は早朝4時半から1時間走。15km弱という、私にとってはやや強度の高い練習でした。
2回目は夕方。高校生と一緒に1時間ジョグで12km強。
その日は特に問題ありませんでしたが、翌朝に異変が。
普段は午前3時に起きる私が、その日は1時間以上遅い4時15分に起床。どうやら2部練習による身体へのダメージが想像以上に大きかったようです。
選手の皆さんにとって、競技力向上のために2部練習は欠かせないものです。
しかし、疲労が回復を上回り続けないよう注意が必要です。
練習内容の見直しはもちろん、栄養と休養の質を高めることも忘れずに。
回復力向上のために、セリアも上手にご活用ください。
(山内)
::: 陸上雑感【室内陸上】 :::
陸上競技は今、室内陸上からシーズンが始まります。瞬発力を要する種目にとって、低温下での強度の高い動きは故障のリスクが非常に高いため、温度が管理された室内は、選手が安心して力を発揮できる貴重な場なのでしょう。
ちなみに身体の部位によっても温まるまでの時間は大きく異なります。
競技の特性だけでなく、自分の身体の特性を理解してウォーミングアップを行うことが、
パフォーマンスアップの鍵となります。
これは、長距離選手においても全く同じことが言えます。
どんな環境であっても、身体の深部温度をしっかりと高めた状態で練習に入るために、春まだ浅いこの季節は、細心の注意を払ってウォーミングアップを行い、故障の予防に努めてください。
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2月の末日は28日です。
ほかの月より2日も少ないのです。
早くも月間走行距離目標達成に黄信号が点滅している私です。
では、また来週。
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