ランナーと生活その1:目覚めのマネジメント【セリア通信 vol.967】

2026年3月10日

前ページ:ランナーの利用可能エネルギー量不足を考える#3
後ページ:

皆さん、お元気ですか?

変わりやすいお天気が続いていますね。
先日、いつものように走りに出た時のことです。
走り出した途端に激しい雨がピタッと止んだんですが、そこからが大変でした。

しっかり防寒対策をしていたレインスーツの下で、猛烈な汗をかいてしまったんです。
インナーが肌に張り付き、なんとも走りにくい状態に…。

お恥ずかしい話ですが、そのせいで軽い脱水とエネルギー切れを起こしてしまいました。
ゆっくり走るジョギングでも、いつもの距離が果てしなく長く感じられました。

今回は朝ランだったので事なきを得ましたが、「これがレースだったら」と思うとゾッとします。
これも気ままな「春のいたずら」かもしれませんが、皆さんも急な気温の変化や発汗量には十分気をつけてくださいね。

◆◇本日のメニュー◇◆

1 ランナーと生活 その1 目覚めのマネジメント
2 セリアスタッフの舞台裏【春のシーズンに向けて】
3 陸上雑感【祝100周年】

この春、新生活を始める皆さんへ。
充実した学生・競技生活を送る秘訣は「自分の生活を、自分の意志で動かすこと」にあります。
「決まりだから」「怒られるから」という消極的な動機で動いていては、すべての行動が「やらされる苦痛(ストレス)」となるからです。

自らの意志で生活をデザインしましょう。
思い通りに動ける爽快感こそが、あなたのパフォーマンスを高め、心身の健康を支える大きな力になるはずです。

ランナーと生活 その1 目覚めをマネジメント

◆①自分で起きる習慣の有無◆

これまで多くの学校で栄養指導させていただいた中で、私が必ず選手たちに尋ねてきた質問があります。
「朝、自分の力で起きている人はどれくらいいるだろうか?」という素朴な質問です。
家族に起こされるではなく、さらには目覚まし時計の音に頼り切ることもなく、
時間になったらパッと目が覚める選手は果たしてどれくらいいるのか…。

その結果は、驚くほど明確でした。
競技力の高いチームほど、自分で起きる選手の割合がハッキリと高かったのです。
もちろん、遠方から通学していたり、人より早く起きなければならなかったりと、過酷な環境にいる選手も少なくありません。
しかし、自力で起きられるかどうかと、環境の厳しさはあまり関係ありませんでした。

つまり、モチベーションの高い選手は、どのような状況にあっても「自分の意志」で目を覚まし、1日を始めているのです。

◆②つまずきは朝練から◆

新しいステージでの飛躍が期待されていた選手であっても、環境に馴染めずに苦しんでしまったり、心身の障害で競技生活を終えてしまうケースは少なくありません。

そうした選手たちが、まず最初につまづくのが「朝練」です。
次のような予兆を繰り返している選手は、注意深く見守る必要があります。

【注意すべき4つの予兆】
  1. 練習の途中で抜ける(簡単に脱落する、頻繁にトイレへ行く、など)
  2. 寝坊して遅刻するようになる
  3. 寝坊して休むようになる
  4. 無断で休むようになる

1、2は、「準備不足」のあらわれです。練習時間から逆算して早めに起き、ココロとカラダのスイッチを切り替える入念な準備ができていれば、本来は避けられるミスだからです。
3は、いよいよ深刻なサインです。単なる不摂生ではなく、ココロとカラダが「拒絶反応」を示し始めている可能性があります。
そして、4に至っては、すでに競技生活はおろか、学生生活そのものに支障をきたしている非常に危険な状態です。

◆③目覚めのマネジメントの必要◆

では、なぜ「自力で起きること」が、競技のパフォーマンスにまで影響するのでしょうか。
そこには、私たちのカラダのなかにある「見えないスイッチ」が深く関わっています。

私たちのカラダは、寝ている時の「リラックスモード(副交感神経)」から、活動時の「戦闘モード(交感神経)」へと、自律神経のスイッチを切り替える必要があります。
これを上手に行うのが「目覚めのマネジメント」だからです。

誰かに起こされたり、ギリギリまで寝ていたりすると、このスイッチが「半開き」のまま練習に入ることになります。
これではエンジンが温まっていない車と同じで、カラダは思うように動きません。

◆④最高に動ける状態で朝練に臨む◆

逆に、自分の意志でパッと起き、朝の光を浴びることで、脳内では心の安定を保つホルモンや、集中力を高める物質が分泌され始めます。
心身ともに「戦う準備」が整うのです。

さらに、早起きして余裕を持って準備を整えることは、カラダの中の「代謝エンジン」をかけることにも繋がります。
②で、触れた「練習中のトイレ」や「エネルギー切れ」は、このエンジンがまだ冷え切った状態で無理に動かそうとした結果なのです。

「目覚めを意のままに制御する」ことは、単に早く起きることではありません。
練習が始まる、その瞬間に、自分のココロとカラダを「最高に動ける状態」にセットすることなのです。
これこそが、強いランナーになるための第一歩なのです。

◆⑤自分で起きる、その一歩が「夢」につながる◆

「たかが早起き」と思うかもしれません。しかし、自分の意志で布団を跳ね除け、自力で1日をスタートさせる。
この小さな成功体験の積み重ねこそが、驚くほど大きな変化をあなたにもたらします。

まず感じるのは、爽快な「達成感」です。誰かに言われたからではなく、自分の決めた時間に起きる。
この「自分をコントロールできている」という感覚が、あなたの根底にある「自己肯定感(自分はできる!という自信)を強く、太く育ててくれます。

心身のスイッチが正しく入った状態では、思考も驚くほどポジティブになります。
「今日はこれができそうだ」「もっとこうなりたい」という前向きなエネルギーが内側から溢れ出し、将来に対する夢や希望が、より具体的で、手の届くものとして感じられるようになるはずです。

これこそが、私たちが目指す「やる気まんまん」の状態です!

自分の生活を、自分の意のままに行動できるようにすること。
それは競技生活だけでなく、あなたの人生そのものを切り拓く力になります。

新しいステージに立つ皆さん。
明日の朝、まずは「自力で目覚める」という最初のマネジメントから始めてみませんか?
皆さんの飛躍を、心から応援しています。

::: セリアスタッフの舞台裏【春のシーズンに向けて】 :::

最近、セリアユーザーの皆さんから
「この冬は大きな怪我もなく、順調に練習を積むことができました」
というご連絡を多くいただいています。

そのうちのお一人が、2日前に開催された立川ハーフマラソンに出場しました。
当日は風が強くて大変だったと思いますが、見事に自己ベストを更新。早速、冬の練習成果を発揮してくれました。

皆さんも、春シーズンで冬の練習成果を発揮出来ることを願っています。

一点、注意してほしいことがあります。
以前のセリア通信でも紹介しましたが、今の時期は代謝が活発になり、貧血や故障のリスクが高くなります。
そうなってしまうと、せっかく良い練習を積んでいても思うような走りができません。

日頃から、良い食事をとり、セリアも上手に活用してくださいね。
(山内)

::: 陸上雑感【祝100周年】 :::

日本体育大学陸上競技部が、創部100周年の記念式典を迎えられました。
数々の名選手を輩出し、日本の陸上界を牽引してこられたその功績には深い敬意を表するばかりです。

かくいう私も、その伝統の恩恵を授かった1人です。
私の恩師は、かつて日体大で活躍した女性スプリンターでした。

まだ名もない小さな会社を立ち上げたばかりの頃、不安を抱えながらも恩師を訪ねた日のことを、今も鮮明に覚えています。
ひょっこりと顔を出した私に、恩師が浴びせたのは、愛のある「喝」でした。

「遅いっ!いの一番に私を頼りなさい!」

その言葉にどれほど救われたことでしょうか。
恩師の紹介があったからこそ、全国各地で信頼できる先生方とのご縁をいただくことができました。
今の私たちがあるのは、あの力強い一言と、背中を押してくださった優しさのおかげだと、心から感謝しています。

* * * * * * * * * * * * * * * *

100周年という偉大な歴史に学びながら、私もまた恩師に頂いたあの「喝」を胸に、次の一歩を力強く踏み出してまいりたいと思います。

では、また来週。


前ページ:ランナーの利用可能エネルギー量不足を考える#3
後ページ:


セリアのご注文、ご相談はLINEからも受け付けております。
友だち追加


 今までのセリア通信はこちらから


 セリア通信の登録(無料)はこちらから


 御注文はホームページから