ジュニアランナーと水分補給①基礎知識編【セリア通信vol.983】

2026年6月30日

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皆さん、お元気ですか?

中高生の皆さんは、今まさに期末試験の真っ最中ですね。
陸上の記録ももちろん大切ですが、今は勉強もしっかり頑張りましょう。
なぜなら、走ることも勉強も「日々の積み重ね」こそが力になるからです。

最後まであきらめずにやり抜くその姿勢が、きっと皆さんの走りを、そして記録をも後押ししてくれるはずです。まずは、目の前の試験勉強をしっかり頑張って、その先に待つ夏の本格的なトレーニングに、最高の集中力で臨みましょう!

◆◇本日のメニュー◇◆

1 ジュニアランナーと水分補給①基礎知識編
2 セリアスタッフの舞台裏【我慢の積み重ね】
3 陸上雑感【サッカー選手に学ぶ】

子供のカラダは大人よりも水分量が多く、それだけに「体内に水分を保持することが大人よりも難しい」という特徴をもっています。 この「水分量は多いのに、失われやすい」という子供のカラダのメカニズムは、ジュニアランナーの水分補給を考える上で絶対に知っておくべき重要なポイントなのです。

ジュニアランナーと水分補給①基礎知識編

◆年代別の水分量◆

ヒトのカラダにおける水分の割合は、年齢とともに減少していきます。

  1. 新生児=約80%
  2. 子ども=約70%(乳幼児~学童期)
  3. 成人=約60%
  4. 高齢者=約50%

このように子供は、大人に比べて筋肉や皮膚、細胞のひとつひとつがとてもみずみずしく、体重に占める水分の割合が約10%も高い状態にあります。

◆なぜ子供は、水分保持が難しいのか?◆

「水分が多いのなら、脱水になりにくいのでは?」と思われがちですが、じつはその逆なんです。子供のカラダは水の出入りがとても早いことを覚えておいてください。
子供のカラダにとって、水分保持が難しい理由は次の4つです。

①「細胞外液の割合が高く、逃げやすい」
体内の水分は、細胞の中にある「細胞内液」と血液やリンパ液などの「細胞外液」に分かれます。大人は、水分の大半を細胞内に保持していますが、子供は入れ替わりの激しい「細胞外液」の割合が高く、汗や尿としてかんたんに体外へ放出しやすいのです。

②体表面積が「体重の割に広い」
子供は、大人に比べて体重当たりの表面積が約2~3倍あります。そのため皮膚表面から蒸発していく水分の量が、大人よりも格段に多くなってしまうのです。じっとしているだけでも、汗でびっしょりという子供も少なくありません。

③腎臓の機能が未熟
子供の腎臓は、尿を濃縮する機能が十分に発達していません。そのため、カラダが水分不足の状況にあっても調整されず、どんどん尿をつくって排出してしまうのです。

④代謝が激しく、水の必要量が多い
子供は成長期の真っ只中にあるため、新陳代謝がとても活発です。大人の何倍もの速さでエネルギーを消費し、熱をつくっているため、その分だけ組織の維持や体温調節に大量の水分をつかってしまうのです。

もし、子供のカラダをプールに例えるなら、水量は多いけれど、底にたくさんの穴が空いていて、常にどんどん流れ出てしまうプール。だからこそ、きれいな水を常に注ぎ続けなければならないのだと覚えておいてください。

◆渇きを感じる前に「飲む」習慣◆

このように「子供の水分保持の難しさ」を考えると、大人と同じ感覚ではいけませんね。喉に渇きを感じる前に飲む習慣を身につけることが必要です。部活動ではもちろん、学校生活や通学時にもこまめに水分補給するように心がけましょう。

【ココが大事!】
発汗量の多いジュニアランナーなら尚更です。カラダの水分が枯渇しないように、こまめな水分補給を心がけ、そして、カラダに蓄えられている「水の貯金」を切り崩すことのないようにお願いします。

◆水が飲めない子供たち◆

ところで最近、「味のない水」が飲めない子供たちが増えていることをご存じでしょうか。その背景には、現代の食環境や生活習慣が大きく関わっているようなのです。
主な要因は、次の3つです。

①エスカレートする「甘味依存」
今の子供たちは幼少期から果汁飲料、スポーツドリンク、ゼリー飲料、味付き天然水、ジュース、乳酸菌飲料などを常飲しているため、味覚がそれらの強い甘味に慣れてしまっています。 そのため甘味に対する感度が麻痺してしまい、無味無臭の水はもちろん、麦茶やお茶の渋味や苦味を拒絶してしまうのです。

②家庭内の影響
「水分補給の必要性」を親が過剰に意識するあまり、ついつい子供が好む味付き飲料を与えてしまうケースが少なくありません。 幼児期に「水分補給=甘い飲料」という回路が脳に出来上がってしまうと、「水分補給=水」という切り替えができないまま大きくなってしまいます。

③咀嚼(そしゃく)の減少と嚥下(えんげ)する力の不足
噛み砕く必要のない柔らかい食事が増えたため、顎(あご)や喉(のど)の筋力の発達が不十分な子供が増えました。その影響から、飲食物を飲み込むこと自体が苦手という子供が増えています。 甘味やとろみがない水は、口の中にとどまらず喉にスーッと流れ落ちるためむせやすくなり、サラッとした飲み物自体を拒絶してしまうという発表もなされています。

◆糖分の過剰摂取も◆

また、「甘くないと飲めない」子供たちは、糖分の過剰摂取のリスクにもさらされています。 清涼飲料水やスポーツドリンクには、私たちが想像する以上の糖分(主として果糖ブドウ糖液糖など)が含まれています。 例えば、500mlのジュースや炭酸飲料には、角砂糖10~15個分(約40~50g)の糖分が含まれていることも珍しくありません。

ちなみに、WHO(世界保健機関)の指針では、糖分(砂糖など)の摂取量は、総エネルギー摂取量の5%未満に抑えるべきとされています。 学童期の子供であれば約20~25g(角砂糖6~7個分)が目安とされていますので、500mlのペットボトル1本で、すでに1日の限界量を超えてしまうことになります。

◆心配されるカラダへの影響◆

①ペットボトル症候群
糖分の多い飲料を大量に飲み続けることで血糖値が急上昇し、激しい喉の渇きと倦怠感に見舞われます。その渇きと疲れを癒すためにさらに甘い飲料を飲むという悪循環に陥いる危険性があります。

②脂質代謝への影響
液体で摂取する糖分は、固形物の食事に比べて吸収が早く、血糖値が跳ね上がります。その跳ね上がった糖分はほとんどすべてが体脂肪として蓄積されるため、絞れないカラダになってしまいます。

③食欲不振と栄養失調
高カロリーな飲料で手軽にエネルギーを補給していると、栄養バランスを整えるために必要な食事が食べられなくなってしまいます。 これこそが運動量に比して食事量が少ないジュニアランナーが急増している主原因だと私たちは考えています。

◆中高生ランナーの皆さん、そして保護者の皆さんへ◆

皆さん、いかがでしょうか?
ついついスポーツドリンクやエナジードリンクばかりを飲んでいませんか?
また、熱中症が心配だからと、「とりあえず」スポーツドリンクを飲ませたりしていませんか?
ご紹介しました通り、ジュニアランナーの水分保持には「こまめな水分補給」が必須です。
ただ、いつもいつも甘い飲み物である必要はありません。
むしろ、日常的な甘い飲み物が、食欲不振や栄養失調をもたらしていることをぜひ、知っておいてください。

次週は、皆さんがこの夏を元気に乗り切るためにどのような飲み物を飲んだら良いのかについて一緒に考えてみたいと思っています。

::: セリアスタッフの舞台裏【我慢の積み重ね】 :::

「寝る前のスマホすら我慢できないのに、レース後半の苦しいところで我慢できるはずがない。」
高校の先生がおっしゃっていた言葉です。
駄目だと分かっていることを我慢できないようでは、いざというときにも我慢できないということです。

皆さんにも、「強くなるためには必要ない」と分かっていながら、ついしてしまうことはありませんか?
恥ずかしながら、私には結構心当たりがあります。(寝る前のスマホではありませんが)

強くなるために不要なことを一つずつ我慢できるようになれば、その積み重ねが強さに繋がるはず。
私自身もそうなれるよう努力しながら、皆さんと一緒に日々成長していきたいと思います。
(山内)

::: 陸上雑感【サッカー選手に学ぶ】 :::

注目のサッカーW杯。
残念ながら長く日本代表キャプテンを務めチームを牽引してきた遠藤航選手が故障のため離脱というショッキングなニュースがありました。 世界最高峰の舞台で激しく戦い続けてきた遠藤選手ですが、彼がこれほどタフに走り続けられてきた秘密は、若い頃からの徹底した「自己管理の積み重ね」にあったといいます。

「何を、いつ食べるのか」「水分をどう摂るのか」を常に自分の頭で考え、毎日実践してきたそうです。
ケガを乗り越えて、さらに強くなろうとする姿勢からも、私たちが学ぶべきことはたくさんあります。

日常の水分補給の手を抜いてしまっては、レース終盤や苦しい局面で粘れる本物のスタミナは生まれません。 なんでもかんでもスポーツドリンクに頼るのではなく、自分で考えて自分のカラダをコントロールしていく。そんな「自律したランナー」を目指して、皆さんもこの夏を乗り越えていきましょう!

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先日のダブル台風や地震の被害など、皆さんの地域は大丈夫でしたでしょうか。
被災された地域の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
まだまだ油断できない状況が続きますが、今しばらくはお互いに十分気をつけて過ごしましょう。

では、また来週。


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