2026年10月6日
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皆さん、お元気ですか?
毎日のトレーニングお疲れ様です!
レースや記録会が近づくと、
「身体をもっと絞りたい」
「身体を軽くして走りたい」
という思いから、食事の脂質を極端に削っていませんか?
「揚げ物は絶対に食べない」
「お肉の脂身やトンカツの衣を剥がして食べる」
といった工夫をしている選手をよくみかけます。
もちろん、大会前日の宿舎での食事なら無理もありません。胃腸への負担を考えて食べ控えるという選択は十分に理解できます。しかし、日ごろから
「脂質をしっかりカットしているのに、なぜか思うように身体が絞れない」
「脚が重くて後半粘れない」
という悩みにぶつかったことはありませんか?
実はそれ、脂質の減らしすぎが原因で、身体が“省エネモード(痩せにくい)”に入っているシグナルかもしれません。今回は、知っているようで知らない「脂質とコンディショニング」の深い関係について解説します。
◆◇本日のメニュー◇◆
1 走りの粘りを取り戻そう(1)「脂質=悪」の誤解を解く!
2 セリアスタッフの舞台裏【強いチームの特徴】
3 陸上雑感【競技場から消えていく声】
「脂肪は悪だ!」と決めつけていませんか?
思うように走れないのに、カラダはしぼれない。
さらに、貧血や故障を繰り返してばかりでイライラする・・・。
そんなあなたにこそ、誤解を解いてほしいのです。
走りの粘りを取り戻そう(1)「脂質=悪」の誤解を解く!
◆1. なぜ「脂質を削る=痩せる」にならないのか?◆
「脂質=カロリーが高い=太る」というイメージを持ちやすいですが、生理学の観点から見ると、脂質を極端に減らすことには大きな落とし穴があります。① 身体が「省エネモード」になり、代謝が落ちる
食事からの脂質が極端に不足すると、脳は「いま飢餓状態で危険だ!」と判断します。すると、甲状腺ホルモンなどの分泌を抑え、少ないエネルギーで命を維持しようとする「省エネモード(代謝の低下)」に切り替わります。 この状態になると、脂質を制限しているにもかかわらず体脂肪が燃えにくくなり、結果として「絞れない身体」になってしまうのです。
② 女性ホルモンが減り、コンディションが崩れる
脂質は、女性ホルモン(エストロゲンなど)を作るための「絶対に必要な材料」です。脂質カットによって女性ホルモンが減少すると、無月経や骨密度の低下(疲労骨折のリスク)を引き起こすだけでなく、 ホルモンバランスの乱れ自体がむくみや体脂肪の不必要な停滞を招きます。
③ 細胞膜が硬くなり、疲労が抜けにくくなる
私たちの身体をつくる何兆個もの「細胞の壁(細胞膜)」も脂質でできています。 脂質が不足すると細胞膜の柔軟性が失われ、酸素や栄養の取り込み、老廃物の排出がスムーズに行かなくなります。 その結果、走りのキレが失われ、疲労が抜けにくくなってしまいます。
◆2. 「動物性脂肪は悪」は本当?◆
「お肉の脂やバターなどの動物性脂肪(飽和脂肪酸)は体に悪い」と思われがちですが、アスリートにとってはホルモンを合成し、強い身体(細胞膜の安定性)を作るための大切な資材です。大切なのは「動物性だからダメ」と排除することではなく、「いろいろな種類の脂質をバランスよく摂ること」です。
①動物性脂質(お肉・卵・乳製品)
⇨ホルモンの材料になり、コンディションの土台を作る。
②魚の脂(サバ・イワシなどのEPA/DHA)
⇨血液をサラサラにし、酸素を全身に運ぶ効率を高める。炎症を抑える。
③植物性脂質(オリーブオイル・ナッツ・アボカド)
⇨抗酸化作用があり、回復をサポートする。
国際的なスポーツ栄養の基準でも、1日の総エネルギーの「20~30%」は脂質から摂ることが推奨されています。20%を下回ると、パフォーマンスや健康に明確な悪影響が出てくると言われています。
◆3. 今日からできる!ポジティブな脂質摂取◆
揚げ物の衣を剥がして食べると、見た目の満足感が減るのはもちろん、エネルギー量が満たされない分だけ、食後に甘いもの(糖質)へ手が伸びやすくなる心理的デメリットもあります。 まずは「脂質=悪」という考え方を一度手放してみましょう。①「質の良い油」の摂取を心がける
⇨揚げ物に抵抗があるなら、まずは青魚、卵、納豆、オリーブオイル、アーモンドなどのナッツ類から意識して摂ってみましょう。
②「部位を選んで」食べるようにする
⇨脂身を完全に削るのではなく、豚ヒレや鶏ささみ・胸肉だけでなく、たまには豚モモ肉や赤身の牛肉なども食べて、ホルモンや筋肉、血管などの細胞づくりに欠かせない材料を補給しましょう。
③「走るための燃料・コンディショニング剤」と捉える
⇨脂質は体脂肪になるためだけに存在するのではなく、「長い距離をしっかり走り抜くためのエネルギー源」であり、カラダの健康を保つ「栄養源」であり、また「女性としての健やかな身体を守るシールド」です。
◆4. 焼肉好きのあなた、それって栄養不足のシグナルかもしれません◆
多くの長距離選手たちが無意識のうちに「焼肉に行きたい!」と言うのは、単なる好みの問題ではなく、身体が慢性的な「エネルギー・脂質・鉄分不足」を補おうとして発している切実な生理的シグナル(本能的な要求)である可能性が極めて高いです。 生理学的・栄養学的な視点から、その理由を3つのポイントで解説します。① 「脂質×炭水化物」のエネルギー高密度シグナル
⇨日頃から脂質カットや過度なカロリー制限をしている選手は、エネルギー利用可能量(EA: Energy Availability)が慢性的に不足しています。 脳はエネルギー効率の悪い状態が続くと、「手っ取り早く高カロリー(高脂質・高タンパク)なものを摂れ」という強力な食欲指令を出します。 焼肉はお肉の油脂とタレ・ご飯(糖質)が組み合わさるため、脳の報酬系を強力に刺激し、「いま身体が一番求めているエネルギー源」として認識されます。
②女性ホルモンと細胞膜を維持するための「コレステロール」欲求
⇨コレステロールや飽和脂肪酸は、エストロゲン(女性ホルモン)や細胞膜の必須の材料です。普段の食事でむね肉やささみ、野菜中心の低脂質食ばかり摂っていると、身体はホルモン合成の材料を失います。 牛肉や豚肉に含まれる脂質(飽和脂肪酸)やコレステロールを、身体が本能的に察知して買い求めようとする反応が「焼肉を食べたい」という言葉になって表れます。
③長距離ランナー特有の「ヘム鉄」不足
⇨女子長距離選手は、足底の衝撃による溶血(ランナー貧血)や月経によって、鉄分が不足しがちです。 赤身肉(特に牛肉)に豊富に含まれる「ヘム鉄」は、植物性食品に含まれる非ヘム鉄に比べて吸収率が5~6倍も高く、身体のリカバリーに直結します。 脂質だけでなく「鉄分補給」という点でも、焼肉は身体にとって非常に合理的な選択肢なのです。
このように普段、栄養を考えながらバランスアップに努めている長距離ランナー、なかでも女子選手は「食べたいもの」を通じてカラダの欲求を的確に察知しているようなのです。 自ら立てた計画通りに食事をするのも大切ですが、ときには杓子定規になり過ぎず上手に欲求をコントロールすることができたら素晴らしいですね。
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::: セリアスタッフの舞台裏【強いチームの特徴】 :::
先週末は、とある中学校駅伝チームを訪問しました。練習場所に着くや否や、選手一人ひとりから挨拶をされ、その後の練習でも、元気な姿やキビキビと動く様子、お互いに声を掛け合う姿を見て、終始感心していました。
今まで多くのチームを見てきましたが、ここまで「凄いな」と思うチームは、そうそうありません。
それもそのはず。
このチームは、昨年の全中駅伝で上位に入り、今年はさらにレベルアップしており、日本一を目指しているというのです。
強いチームとは、こういうチームのことを言うんだな。
そんなことを改めて気づかせてくれた、今回の練習訪問でした。
(山内)
::: 陸上雑感【競技場から消えていく声・・・地域移行の陰で何が起きているのか】 :::
「地区大会なのに競技場がガラガラ」「エントリー減で種目や大会そのものが消えていく」
全国の中学・高校の陸上現場から悲痛な声が聞こえます。
少子化以上のスピードで進む部活動の「地域移行」と「働き方改革」。都市部ではクラブチーム化が進む一方、地方では単独チームの維持すら困難になり、合同チームでの出場や大会縮小を余儀なくされています。
走る・跳ぶ・投げるというシンプルな陸上競技の本当の面白さは、「熱量を持った指導者という“人”」を通してしか手渡せません。
「あの一言で走るのが好きになった」
「自分の限界を一緒に面白がってくれた」
そんな大人との出会いがあったからこそ、陸上部は子どもたちにとって「人生を学ぶ場所」でした。この熱のバトンが途切れてしまうことが心配でなりません。
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私が中学校を卒業してから、早50年になろうとしています。
今なお恩師からお電話をいただく機会がある私は、なんて幸せ者なのだろうと深く感謝しております。
思えば、いまこうして陸上界との尊いご縁を繋いでくださったのも、恩師の温かいお力添えがあってこそでした。 「人と人との熱い繋がり」は、時代や立場を超えて、永遠に続いていくものですね……。
今週も最後までお読みいただき、ありがとうございました。 皆さんの走りと毎日が、健やかで実り多きものとなりますように。
では、また来週。
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